上野恩賜公園・不忍池の蓮(ハス)の花の見頃やおすすめの時間帯

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東京・上野恩賜公園内に位置する不忍池は、都会の喧騒から一歩離れた静かな癒しの空間です。この池は都内有数の蓮の名所として知られ、夏の風物詩として多くの人に親しまれています。今回は不忍池の蓮の魅力や見頃などについてご紹介します。

不忍池の蓮(ハス)について

不忍池の蓮の見頃はいつ?

不忍池の蓮の花は例年7月上旬から8月下旬ごろに見頃を迎えます。

不忍池の蓮はどの時間帯が見頃?

蓮の花は、日の出とともに咲きはじめ、午前7~9時頃に満開になり、昼頃には花弁が閉じてしまいます。
そのため、早朝の鑑賞がおすすめです。

朝露に濡れた蓮の花は特に美しく、幻想的な光景を楽しむことができます。

不忍池には何種類の蓮が植えられている?

不忍池に植えられている蓮のほとんどは、ジバスという種類の蓮です。
2014年4月に「蓮観察ゾーン」が新設され、かつて不忍池に生育していた4種(明鏡蓮、蜀紅蓮、浄台蓮、不忍池斑蓮)と大賀蓮の計5種類の蓮が植栽されました。
しかし、現在その5種は生育不良のため展示されていません。

不忍池と蓮の歴史

不忍池と蓮(No.1)
先史時代の不忍池は、武蔵野台地の東端に位置し、上野台と本郷台に挟まれた入江でした。その後、海岸線の後退とともに取り残されて池になったと考えられています。
江戸時代以前は、不忍池のあたりは沼地で、藍染川が流れ込み、不忍池のあたりから先は忍川となって、隅田川へと流れていました。
不忍池にいつごろからハスがあったかですが、延宝5年(1677)に出版された「江戸雀」という本に不忍池のハスが詠み込まれた和歌が載っていることから、この頃には不忍池にハスがあったことが分かります。

涼しやと池の蓮を見かへりて
誰かは跡をしのばずの池

「東京名所四十八景 不忍弁天はす取」東京都立中央図館 特別文庫室所蔵

不忍池にいつ誰がハスを植えたかは分かっていません。不忍池のハスを調査した大賀一郎博士は「不忍の蓮」という文章の中で、「不忍池にハスを植えたのは、上野桜ヶ丘に別邸があった林道春(林羅山)かと考えたが、彼の著作にハスに関する記述がないことから、寛永寺を造営した天海和尚か、不忍池の弁天島を作った水谷伊勢守ではないかと考えるように
くなった」という趣旨のことを書いています。
植えられたハスの品種も不明ですが、江戸時代の書物には紅色と白色のハスがあったことが記述されています。昭和10年の大賀博士の調査では、不忍池には 10品種のハスが生育していたことが確認されています。
そのような不忍池ですが、第二次世界大戦中は水田として利用されていました。終戦後、蓮池を復するために水を戻し、ハス苗の収集と植付が行われました。現在、不忍池にあるハスは、これらのハスが交雑したものと考えられます。

蓮(ハス)について

学名:Nelumbo nucifera
分類:ハス科
Family:Nelumbonaceae

直径20cm以上もある大きな花を咲かせます。花の見頃は7月から8月です。花は1週間ぐらい咲き続けますが、毎朝早い時間に開いて、昼過ぎには閉じてしまいます。ハスの名の由菜は、ハスの実がハチの巣に似ていることから(蜂巣/ハチス→ハス)だと言われています。

茎の断面には写真のように空気が通る穴があり、葉でとりこんだ空気を地下茎に送ります。空気の少ない泥の中で生育するためのしくみです。食用のレンコン(蓮根)は、ハスの地下茎のことです。

蓮(ハス)を知ろう
ハスは、ハス科ハス属に属する大型の抽水植物であり、熱帯~温帯アジア、オーストラリア北部及び南北アメリカなどに分布しています。
ハスには、熱帯及び温帯東アジアを中心に、東は日本、西はカスピ海近く、南はオーストラリア北部に分布する東洋産種のハスと、北米東部及び南米北部に分布するキバナバスとの2種に分類されます。
東洋産種のハスの花色は、紅色、白色なのに対し、キバナバスの花色は黄色です。
不忍池には左の浮世絵にもあるように、古くからハスが植えられていました。

「三十六花撰 東京不忍池蓮花 廿五」東京都立中央図書館 特別文庫室所蔵

不忍池のどこで蓮が見れる?

不忍池は、「上野恩賜公園」の南端に広がる周囲約2kmの天然池で、ボート池、鵜の池、蓮池の3つに分かれています。その中でも「蓮池」は一面に蓮が植えられていて、7月から8月には美しい花を咲かせます。

蓮池

池の周りをゆっくりと歩きながら蓮の花を眺めるのは心地よいひとときです。
また、蓮池の野外音楽堂近くには「蓮見デッキ」が設置してあり、間近で蓮を観察することができ、絶好の撮影スポットでもあります。朝の光が差し込む時間帯は、蓮の花が輝きを増し、美しい写真を撮ることができます。花だけでなく、池の周囲の自然や弁天堂との組み合わせも絵になります。

7月から8月にかけて、不忍池周辺では「うえの夏まつり」が毎年開催されますが、2024年は蓮見デッキに2,000個の風鈴が飾られています。風鈴の涼やかな音色を聴きながら、美しい蓮の花を眺め、日本の夏らしい情緒を堪能できます。

5月初めの不忍池の蓮

6月初めの不忍池の蓮

7月中旬の不忍池の蓮

不忍池のアクセス

所在地 〒110-0007 東京都台東区上野公園5-20
電話番号 03-3828-5644
アクセス 「上野駅」不忍口より徒歩約6分
マップ

まとめ

夏に咲き誇る不忍池の蓮の花は圧巻で、訪れる人々の心を癒し、感動を与えます。
蓮の花を鑑賞する際には、早朝の時間帯がおすすめです。美しい蓮の花と共に、静かな朝のひと時を楽しんでみてはいかがでしょうか。

東京・上野恩賜公園の不忍池の魅力を徹底解説!

2024年7月1日